矯正治療のリスクと副作用
【中断について】
- 矯正治療は中断をすると、治療計画の結果とならない場合があります。
受験、引っ越し、長期出張、転勤などの予定を考慮に入れて開始時期をご検討ください。 - 結婚式や成人式など、ある一定期間だけ矯正装置を外したいという場合は、装置を外して再装着をする費用が50,000円(税抜)かかります。その時だけ白いワイヤーで目立ちにくくすることもできます。ご相談ください。
- その他、諸事情によりやむを得ず中断する際、いかなる場合も治療費の返金はいたしかねます。ご了承くださいますよう、よろしくお願いいたします。
【矯正装置装着後の来院について】
- 矯正の進行を管理するため、1〜2ヶ月に1度を目安にご来院頂きます。その際には、管理料として5,000円(裏側矯正は10,000円)(税抜)/月 の調整料がかかります。
- 矯正治療が原因と思われる症状や、矯正装置の不具合や故障などの際はご連絡ください。
- 咬み合わせの力によっては、治療の途中で装置が取れてしまうことがあります。
- 装置が外れてしまっても、歯の動きは月に2〜0.5mmのため、次回来院時に装置の付け直しを行えば問題がないことが多いです。痛みや不快症状があれば常勤医師が応急処置を行いますので、ご連絡ください。
- 最も後方の装置が外れたり、歯が大きく動いた場合にワイヤーの先端が頬の内側の粘膜に刺さる可能性があります。その場合はワイヤーを切断するなどの処置をいたしますのでご連絡ください。
- 矯正治療中も、歯科衛生士によるメインテナンス(虫歯と歯周病のチェックとクリーニング)は必須です。3ヶ月~6ヶ月に1回は受診してください。矯正治療とは別途治療費がかかります。
- 保定期間に入った後も、定期検診には必ずご来院ください。保定装置の使用が不十分なことや、定期検診に来院しないことが原因で後戻りした場合は再治療となり治療費が発生いたしますのでご了承ください。
【矯正装置について】
- 取り外し可能な矯正装置・保定装置は丁寧に扱ってください。紛失やケアレスミスなどで破損の場合、再製にかかる技工料や材料費などがかかります。
- 矯正装置が入ると、発音や食事に影響を及ぼします。また、調整の度に2〜3日程度歯に痛みが生じます。痛みの程度や慣れる期間には個人差があります。
- 矯正装置は頬や唇を傷つけたり、口内炎などの炎症を起こす可能性があります。
- 歯科矯正用アンカースクリューは脱落することがあります。その場合は、粘膜と骨の治癒を待ってから再埋入を行います。
【自宅でのセルフケアについて】
- 口腔衛生管理は矯正治療の鍵となります。矯正装置の装着により歯磨きが困難になりますので、虫歯や歯周病のリスクは高くなります。矯正用フロスやタフトブラシ、音波ブラシは矯正器具の清掃に有効です。口腔衛生が良くない場合は矯正期間が延長する可能性があります。
【矯正治療の期間について】
- 歯の萌出や動きのスピードには個人差があるため、矯正治療の期間は、診断時に予定した期間を超える可能性があります。治療途中で使用器具の変更を提示することもあります。その場合は事前にご本人・保護者の方へ説明いたします。
【その他の注意事項】
- ほとんどの不正咬合の場合、嚥下機能異常、悪習癖(舌の突出癖、咬唇癖、指しゃぶり)、口腔筋機能の低下(低位舌、お口ぽかん)が原因となります。そのような習慣を改善をするため、MFT(唇の筋肉の訓練や舌の訓練)を行います。悪習癖や口腔筋機能の調和が取れていないと後戻りの原因となります。
- 顎関節症は生活習慣が大きく関わるため、矯正治療により必ずしも改善されるとは限りません。
- 矯正装置の材質により、アレルギーを起こす可能性があります。
- 矯正治療で動かす歯は、歯肉退縮、知覚過敏、歯根吸収などが発生する可能性があります。
- 隣り合っている歯と歯肉の間に隙間が生じることがあります。(ブラックトライアングル)
- 歯が動くと、歯と歯が接していて今まで見えていなかった小さな虫歯が発見されることがあります。
- 診断当初は抜歯が不要ということで治療を開始しても、治療継続において抜歯が必要となる可能性があります。
- 糖尿病や骨粗しょう症などの全身疾患によっては、矯正治療の進行に影響を及ぼす可能性があります。
- 神経を除去している歯は、根尖に炎症を起こす可能性があります。
- 神経を除去している歯は、神経がある歯に比べて約8倍折れやすいという統計があります。そのため、矯正治療中に歯根破折する場合があります。その際は歯の抜歯を行い、義歯、ブリッジ、インプラントなどを検討する必要があります。
- 矯正治療前に歯冠修復された歯や形態異常の歯に関しては、矯正治療後に適切な形態に治療が必要となる場合があります。
- 矯正治療後は2年間は後戻りしようとする動きが旺盛です。後戻りを予防するためにリテーナー(保定装置=後戻り予防装置)を装着する必要があります。また、加齢変化で歯は生涯動き続けます。リテーナーは2年間と言わず、長期的に使用していただくことをおすすめします。